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まどろみの中で②

こんにちは、つくばの進学塾・竹進の国語担当の尾高です。


まどろみの中で①の続きです


映画を映画館で観るということは、単に映画を目で追いかけることじゃない。

映画を全身で浴びることなんだ――そんなことを大学でお世話になった

先生がおっしゃっていたことがあります。

もしそれが正しいとするならば、実は意識が飛んでしまっている間も、

人は映画を「体験」しうるのかも知れません。

そういえば、タルコフスキーという映画監督の作品は上映中に眠って

しまってもいい映画だったのが分かるなんて話を、飲み会で隣り合わせた人

から聞かされたこともありましたっけ。


ちなみに「キャロル」で目が醒めたのは、小雪の舞う中、ルーニー・マーラ

がカメラを構える場面でした。

すでにyoutubeに流れていた予告編で何度も繰り返し観ていた箇所ですが、

くりっとした目の女優がカメラを持つことによって、「見つめる」という

行為が前景化されていて、実に美しい。

ふと、吉野弘のこんな詩を思い出しました。


今一つ 私は断言する

美しいものは

眼の愛に射られて

より美しくなってゆくと


 恋人を美しく彫り上げた眼を

 君が持っているなら

 私の断言を容れるだろう

(「眼・空・恋」より)