クラリネットの上達法(1)
つくばの進学塾「竹進」の副塾長の牧原です。
プロが書くより、素人の私の方が、みなさんにぐっと近いので、書いてみました。
(吹いていた時には、吹奏楽でもオーケストラでも1stでしたが、楽しいときもあれば、
苦痛な時もありました。まぁ、暇つぶしにお読みいただければと思います)
1.魔法の楽器?
いまでも感謝している楽器が、初心者の時に出会った、Buffet Crampon社のE-13です。
当時は今の半額(?)の値段だったので、自分の貯金でも買えました。
クラリネット=Buffet Crampon R-13は、今も昔もかわりませんが、当時のわたしは
まだ何もわかりませんでしたので、先生の言う通り、E-13にしました。
するとどうでしょう。初心者はまだ息のスピードが遅く、とても管楽器を吹ける状態
ではないのに、なんと「クランポンの音」がするのです!!
当然、周囲はびっくりで、反感も買いました(爆笑)。
今でも吹奏楽をやっている人が多いクラスでは、「E-13って本当に魔法の楽器だ」
などと言ったりしています。初心者の息のスピードでも「クランポンの音」がでるのです!
語学もそうですが、最初のころに、本当の音を聞くのは、ものすごく大事で、
これでクラリネットってこんな柔らかい音がするんだ…とわかったわけです。
2.その後
その後、驚いたのは、世の中には「素人でもプロがびっくりするほどいい音を出す人」
がいるということでした。また、その人たちが吹いていた楽器が、こぞって、YAMAHA!
YAMAHAの楽器は、ご存じの通り、ピッチ・音響が計算しつくされていますので、
「うまい人が吹けば」、最強レベルです。
わたしは、どうしてもキーの沈み具合が自分の手に合わず、Buffet CramponやSelmer
を吹いていました。(自分の手だと、キーを押すと、楽器を支える親指が不安定になるのです。
いまでこそソプラノクラリネット用のストラップがありますが、当時はなかったのです!)
ところで、そのうまい人々の音は、もうびっくりとしか言いようがない
(英語で言うと、まさにAwesome!!)。
管楽器の宿命とはいえ、骨格や才能がこんなに如実に(わたしにとっては残酷に)
出てしまうんだな、とかなりショックでした。
幸い、そのうまい人々にかなり厳しく指導していただき(当時で言うと、吹いた瞬間の
チューナーのピッチの上がり方まで細かく注意された:チューナーが「針」の時代なのです)、
かなり上達できました。
楽器は、やはり有名なものにはそれなりの理由があって、上記のうまい方々をみても
そう思いました。
ただ、自分なりにいうと、一般にいわれている有名楽器やマウスピースよりも、
自分に合うものを選ぶべきです。
各自、骨格がちがうので、いい音がするかどうかは、その人に合うマウスピースや
楽器を選ぶことにかかっています。
自分限定ですが、私の場合は、Buffet CramponのR-13選定品(中の選定品)よりも、
Selmerの方が、当時の定番中の定番のマウスピースよりも、なんと、楽器に付属していた
マウスピース(ふつう誰もそんなの使わない)の方が、断然、いい音が出ました
(楽器店の方も驚いていました・オーケストラの先輩からはやっかまれた挙句、呆れられました)。
※でも、楽器付属のマウスピースを使えというのは、当時日本で最高峰のプロ吹奏楽団出身の
トレーナーに教わったことでした(わたしはそれを鵜呑みにしたわけです)。
また、リードについては、生徒からも質問が来ますが、ま、これも自分に合う厚さや、
ブランドを選ぶという選択肢もありです。(もちろん、自分で削ったりする楽しさは知っていますが)
私の場合は、V12シリーズがぴったりでした。確かに「高い」ですが、当たりの確率がかなり高い
(ほとんどが当たり)ので、結果、お得でした。
ところで、クラリネットが対象にしているのは、西洋音楽ですので、かならずメトロノームを
使って練習するといいと思います。
むかし、偉い先生に、「音楽は時間の芸術だ」といわれたことがありましたが、それは自分に
とって常に真実でした。時間の芸術なので、時計(メトロノーム)からずれると、崩壊するのです。
あとはとにかく練習・練習!クローゼや音大の出しているエチュードで完璧にスケールを
マスターしてください!(もちろん、メトロノームを使って)
余談ですが、Buffet CramponのFestivalは、本当にいい音がします。自分は吹きませんが、
あるプロの方が吹いているのを聞きましたが、迫力がすごすぎて、驚愕(響きが、まさに「雷鳴」)。
もってないけど、私の神楽器です。
早くToscaやDivineなどでも、「おお、これは凄すぎる」という演奏を聞いてみたいです。